2008年12月8日月曜日

冷蔵・冷凍ストック容量の計算

厨房内の冷蔵・冷凍ストック容量の計算の仕方

厨房を作る上で必要な知識・経験のひとつに、冷蔵・冷凍のストック量計算があります。

これは、業種・調理方法・サーブ形式によって違います。また、仕入れのスパン、企業、料理人の考え方によって大きく左右されるものです。


私たちは、お客様の声を聞きながら、ベストのストック量を提案出来るようにいつも心がけています。

ストック量計算のミスによってもたらされるデメリットをあげてみます

ストック量が多い
・イニシャルコストの増大(器具・設備)
・過剰な仕入れによる鮮度の低下
・エネルギーコストの上昇
・器具の故障などによるランニングコストの上昇


ストック量が少ない
・販売の機会損失
・オペレーション上の不都合


上記を見て気づく方もいらっしゃると思いますが、ストック量は多いよりも少ない方が基本的には無難です。


私たちは、ギリギリ足りる量より少しだけ多い容量を提案しています。



しかし、 私たちはいつも、厨房レイアウトを提案する時、「備えあれば憂いなし」という料理人の考え方に出くわします。

ストック容量が多い事・少ない事。ビジネスとして、この二つを比べた時、実はストック量が多い事は質的に料理人・企業の向上心を奪ってしまします。

つまりストック量は少なめの方が良いのです


皆さん、いつも「冷蔵庫が少ない」ってぼやいていませんか?!?!



私が思うに、飲食業界がビジネスである以上、十分過ぎるストックは経営者・料理人・従業員の向上心・想像力を邪魔するものなのです。


たとえば、私が設計した厨房で、通常の考えられる範囲の2/3のストック量で運営しているカフェがあります。

少ないストックの中で、仕入れ・仕込みを工夫し運営しています。

このお店は出店した時点で、イニシャルコストが低く、他店よりもランニングコストが低い=損益分岐点が低いのです。

私の知ってる限りでは、この店は利益を上げています。


傍目から見たら流行っていないと思われるかも知れませんが、ビジネスとして成り立っているのです。

冷蔵庫を一台余計に入れたらどのくらいランニングコストがかかるかご存知ですか?

1200×600の台下冷蔵庫を例に挙げてみましょう。

1台あたり電力は少なく見積もってo.15kw/hです。もちろん冷蔵庫は24時間365日稼動ですので計算すると、この冷蔵庫1台あたり

1680円/月=20160円/年

になります。

イニシャルコストが約22万円+電気代が年に2万円

プロの観点からすると、この24万円の利益を上げるためにどれだけの努力が必要かわかりますよね??

一度、自分のお店のストック量を見直してはいかがですか?

冷蔵庫の電源を消して作業台+収納として使っているお店もたくさんありますよ












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